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アメリカでは毎年、いや小さい事件を入れると毎週・毎日、銃を使っての犯罪・殺人があります。
警察官が判断を誤り「容疑者」を射殺する事件は毎月みたい、それが今年ボルティモア、シンシナティ-、カンサスで大きな
黒人抗議運動になり、最近のオレゴン州の乱射事件は一般人も「またか?」というように皆の神経が鈍ってきてます。
「銃の暴行とテロによる死者を一つのグラフに、Deaths from gun violence vs. deaths from terrorism, in one chart」
という記事があり、画像が小さくてボケてるので、大きくし日本語を入れたのが下のグラフです。
http://www.msn.com/en-us/news/breakingnews/deaths-from-gun-violence-vs-deaths-from-terrorism-in-one-chart/ar-AAf1eOa
銃とテロによる死者の毎年の合計を2001から2011年まで表したグラフ、テロは下の線、2001年に多いのは9/11事件、
他の年はゼロに近い、その反面、銃による死者は毎年1万2千人くらい、オバマ大統領の主張点は「テロを防ぐのに毎年
何十億ドル($Trillion)を使っているのは正当化されるだろうが、議会の銃所有の規制反対はどうしてか?」です。
銃が犯罪に使われ毎年1万2千人くらいの死者がある、しかしもっと深刻な問題は「ニュースにも話題にもならない自殺」
であると http://www.vox.com/2015/8/11/9126891/gun-suicide-rate にあります。
アメリカで2013年の銃による死者は33,636人(3万3千以上)、その内で自殺は21,175(2万1千以上)、
銃を買う前に、買う人の動機・目的・過去(精神病・銃登記の記録等)を調べるシステムがあれば、
多くの自殺も防げるのではないか、とも言ってます。今回のオレゴン州の犯罪者は10以上の銃を所有してました。
アメリカに銃の規制が無いのは、全く意味がありません。アメリカ社会が「如何に撹乱しているか」の一部でしょうか。
二番目の画像は2009年に起こった銃による殺人の数、これもアメリカが飛び抜けて多く9千人以上、一番少ないのが
右側に星印がついた日本、これは世界でも誇れることです。
オレゴン州の事件以後に書かれた「オバマ大統領は何も出来ない」というイギリス・BBCの記事が
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-34429918 にあります。
ピュー研究所(ワシントンの情報調査シンクタンク、http://www.pewresearch.org/ )には興味ある課題が色々あり、
銃規制の意見調査では国民の80%が銃規制に賛成し、70%は全国共通情報データベース作成に賛成している様子、
ではどうして「何も出来ない」のでしょうか。
アメリカ憲法に「銃所有が個人防衛の権利になっている」事、強力なライフル協会政治組織もありますが、
もっと大きな問題は選挙制度にあり、共和党が銃規制に反対しているからでしょう。
アメリカ議会は上・下院があり、共和党が上院の54%下院が56%で多数党、前の選挙でオバマ大統領が再選され
たのは、人口が高い都会票のお陰、地方では共和党が強い、議員選出は人口比例でなく、挙げてある例では、
人口58万+のワイオミング州から共和党上院議員2人、人口3千9百万のカリフォルニアから民主党上院議員2人、
というように、銃規制を望んでいる人口が高いイリノイ州は人口が低いアラスカ・ネブラスカ・アラバマ州に反対されます。
前回の議員選挙で、オバマ大統領は50.6%の支持を受けた一方、議員選挙では共和党が435議席の内226席勝ち、
全体では民主党議員が共和党より140万多い票を得たのに、保守(共和)党議員の数は33人多いという具合です。
しかし、この民主主義政治の歪みは日本にもあります。
安保法は国民の過半数が反対している模様・・・その国民の意思に反して議会で可決されました。
安倍内閣はあまりにも「卑屈」なので腹が立ち、あまり話したくありませんが・・・
日本人は卑屈でなく「良い悪いに拘わらず正正堂堂と問題に直面する潔癖な人間が大多数だ」と信じます。
ところが国民へ賛否を問わず、憲法は政府の解釈次第だと言う、その時の政府次第で憲法はどのようにも解釈でき、
政府に都合が良い政治が出来る、これは憲法を無視した「権威者の卑屈・卑怯さ」でしかありません。
「中国人は汚い」と世界中の人に知られてます。中国は共産党の権威が憲法など無いと同じで、全てが時の権威者の
都合によって決まります。今回の安保法に関し自民党で一人として声高く反対した議員はない、自分達を合法化してる
のはクザ社会より劣り、これが日本を代表する政党ですか?「中国政府は卑屈で汚い」など言えなくなりました。
最近問題になってる大企業の会計問題にも同じような卑屈な誤魔化しがあります。アメリカ追従したからでしょうか?
フォークスワゲンが排気で誤魔化し大問題になってます。一つだけ違うのは、問題発覚直後に誤魔化しを認めました。
トヨタ車が急に加速する問題は、何が原因か最後まで明確にされませんでした。
このように指導層の卑屈さが社会で跋扈するのは、インド、パキスタン、その他東南アジア諸国と変らない、銃規制で
困っているアメリカを嘲笑できない、アメリカ以上に日本の指導層に大きな矯正が必要な時代になりました。
この矯正は、国民の多くが同様に「卑屈者を指導者にすべきでない」と痛感したら初めて可能でしょう。
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