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朝日新聞掲載の池上彰氏の「新聞ななめ読み」に、安保関連法案に対する、新聞各紙の編集について書いてありました。
以下、読売新聞の部分を引用します。
ーー(前文省略)では、読売新聞はどうか。朝日も毎日も、特別委員会での採決を「強行」と表現していましたが、読売の紙面には「強行」の言葉はありません。17日付朝刊の社説は、「日本の平和確保に重要な前進」と高く評価しています。
新聞によって、評価がこれほどまでに異なるのだと、改めて驚きます。読売新聞は、全体として、安保関連法案賛成の紙面づくりを展開しています。17日付朝刊の「論点スペシャル」で3人の識者の意見を掲載していますが、いずれも法案を評価するもの。反対論者がひとりも登場しないのです。
読売新聞として、安保法制に賛成するのは、もちろん構いませんし、社説などを通じて、自社の意見を読者に訴えるのは、当然のことでしょう。でも、世の中には、反対論者も大勢いるのです。その人たちの意見を紹介しないというのは、幅広い議論の場の提供を放棄していると言われても仕方のないことでしょう。
その読売新聞は、7月27日付朝刊で、安保関連法案に関する全国世論調査の結果を紹介しています。安保関連法案の今国会での成立について、「反対」が「賛成」を上回っていることを伝えています。
驚くのは、質問の文章です。読売新聞は、世論調査で、次のような質問をしたのです。
「安保関連法案は、日本の平和と安全を確保し、国際社会への貢献を強化するために、自衛隊の活動を拡大するものです。こうした法律の整備に、賛成ですか、反対ですか」
こんな聞き方だったら、「それはいいことだ」と賛成と答える人が大勢出そうです。設問で答えを誘導していると言われても仕方ないでしょう。それでも、「賛成」は38%、「反対」が51%でした。
賛成の答えを誘導するかのような質問にもかかわらず。「反対」と答えた人のほうが、はるかに多い。(*)国民の「理解」は深まっているように思えますがーー
(*)安倍首相の7月15日の衆院特別委員会での質疑で、「国民の理解が進んでいる状況ではない」と認めた発言に対して、述べたものと思われます。
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