ふたつの同窓会 三浦 和子 ―もう 言うまい。下手な短歌と・・。 こう言おう。下手でいい。下手がいいと・・。― 歴史に残る短歌、話題に上る短歌を見聞きすると、表現の上手さや内容の深さが胸に響き 感動させられます。私は有名な歌人の短歌集をほとんど読んでいない不勉強者です。 接触を持っていると言えるのは、「朝日歌壇」と[NHK短歌]ぐらいです。 よって、空んじて言えるような短歌は幾つもありません。ただ、「α」に投稿するために、 以前ちょっとかじっただけの短歌を詠んでいるようなものです。 最近感動した短歌 寺山 修司 「売りに行く 柱時計が ふいに鳴る 横抱きにして 枯れ野行くとき」 福島 泰樹 「ここよりは 先に行けない ぼくのため 左折してゆけ 省線電車」 ふとした時に短歌を作りたくなり、そこいらの紙にメモしておくものの、そのメモを 何処に置いたのか忘れてしまう。 ○ さがせども いまだ出てこぬ 我が短歌(うた)の なぐり書きたる メモはいずこに ○ ただのメモ と、捨てられぬ 短歌(うた)なりし ふたたび生(あ)れる 時のなければ 昭和39年度 東京学芸大学社会科専攻卒業生同窓会in湯河原 教員養成大学故、同窓生のほとんどが主に東京都の教員になった。当時、民間優位の風潮が在り、 ごく一部に同窓生は一般企業へも就職していった。今回は卒後40数年で実施3回目の同窓会であった。 ○ 長かりし 空白の時 超え集う 懐かしき友 顔のかがやく ○ 元校長 勢ぞろいす 湯河原に ナツメロ演歌 合唱ひびく ○ 児童との 確執ありし 時は過ぎ いま湯河原に 人生寿ぐ ○ 全国から 馳せ参じたる 同期の友 すごしき地での 教育語る ○ 他の職を 得し友に聞く 無限なる ドラマありしや その道にて ○ 台風は 過ぎ去りたる 青空の 湯河原みやげ 店にぎわう ○ 真鶴の 岬を海まで 下りたれば 相模の海と 駿河の海が 佐高11期生卒業 45周年記念同窓会in横浜 2年前から準備し動き出した同窓会世話役員会。参加予定者の少なきを憂いた時期もあったが、最終的には 最低ラインの150名を大きく上回る247名参加で、この上なく大きな盛り上がりにて実施された。 中心になった世話役委員のご苦労は如何ほどだったのか。 数々の予期せぬ事態を乗り越え、思い出多く記念すべき同窓会が無事終了し「次はふるさと佐賀で」を 合言葉にそれぞれの地へ帰っていった。 ○ 横浜とう 響きと香りに 酔いしれる ライトは眩し 港の客船 ○ 青春を 絡め集いし 同窓生 佐賀弁飛び交う 時雨の横浜 ○ また戻る あの時あの日 ふと問わば 「今ぞ青春」 声高にいう ○ 孫を持つ じじばばは何処 今の日は 佐高生なり 青春の徒なり ○ 楠の青葉 天山嵐 今一度 この眼でみたし かの地に生きて ○ 横浜も チャイナタウンも 嬉しかり この日への山 この日への川 ○ 散策す 時雨の横浜 外人墓地 相合傘で 歩けよ友よ ○ 灯台と ヨットと波の ニューシティ 再会約し ホームへ消え行く